この記事は前回の記事、「泳がせ百科(エサ編)」のシリーズです。
前回の記事では泳がせ釣りに使える餌についてまとめていますので、是非一度読んで見て下さいね(^-^)v
泳がせ釣りで使う仕掛け
通常、活餌(生きた小魚)を使用する泳がせ釣りは、「泳がせ釣り」と一括りにされていますが、大別すると泳がせ釣りは2種類に分ける事が出来ます。
1つ目は上物狙い。
表層を泳ぐ青物なんかをメインターゲットにします。
2つ目は底物狙い。
底に貼り付く平たい魚やハタ類をメインターゲットにします。
まあ、狙う棚を全く定めない泳がせ釣りもありますが…。
そもそものターゲットの遊泳層が違うので、ここを間違えるとアタリすらない状況になりかねませんので、重要な部分となります。
それでは、ひとつひとつ解説していきます。
上物狙いの場合
主に表層を泳ぐメジロやカンパチ、サゴシなんかをメインターゲットとします。
泳がせ釣りの中でも一番メジャーな釣り方で、仕掛けも簡単です。
上物狙いの仕掛け
基本的に棚を決め、ウキを使用します。
ウキの浮力で付け餌となる魚が潜らないように、一定の層を泳ぐようにしてあげます。
簡単に図で説明します。
ウキ止めで魚が泳ぐ棚を決め、ウキ下はだいたい2ヒロ位で良いでしょう。
オモリは付けず、管付チヌ針に直結します。
図では、わかりやすいように棒ウキで描いてますが、中通しウキも使いやすいです。
自重のないウキよりも、ウキ単体で重みのある投げ用ウキのほうがキャストはしやすいです。
しかし、魚の重みもあり、飛距離は求めないので、そこまで神経質になる必要はないと思います。
ウキの号数は付ける魚の大きさに合わせます。
ウキの頭が見える位の浮力を確保するようにしましょう。
魚を針に付けたら、優しくキャストします。
※活餌を付けている時は、必ず優しくキャストしてください。ビュンッと竿鳴りするような投げ方をすると、餌が身切れして飛んでいってしまいます。
この仕掛けは、アタリが大変面白い釣り方です。
まず、ターゲットが近付いてくると、付け餌にしている小魚が逃げ回りますので、ウキがピョコピョコと動き出します。
ターゲットが付け餌を食べ始めると、ウキが完全に沈みますが、まだ合わせてはいけません。
じっと待ち、ターゲットが完全に餌を呑み込むのを感じてから合わせ(竿をビュンッと垂直に立てること)を入れます。
このように、じっくりと呑ませて釣るから呑ませ釣りと言うみたいですね(*^^*)
デメリットとしては、仕掛けの行き先が餌任せになるため、周囲に釣り人が多い場合などはオマツリの危険が伴います。
上物狙いの付け餌
- アジ
- サバ
- イワシ
- コノシロ
- イサキ
等の比較的表層を泳いでいる魚を付け餌にします。
泳がせ釣りにおける一番使いやすい餌は間違いなくアジです。
出来ればサビキなんかで確保しておきたいですね(^-^)
底物狙いの場合
主に海底を住処とするヒラメやマゴチ、ハタ類なんかのフィッシュイーターをメインターゲットとします。
ぶっこみ仕掛けやエレベーター仕掛けで狙います。
底物狙いの場合の注意点としては、海底付近に餌を持っていくため、根掛かりのリスク、カニ等に餌が齧られるリスクがあります。
餌が齧られたりして死んでしまうと、今度はエイやサメなんかが寄ってくるので要注意です。
底物狙いの仕掛け
基本的な仕掛けは固定式と遊動式の2パターンあります。
それぞれに特徴がありますので、解説していきます。
ぶっこみ仕掛け(固定式)
まずは固定式の仕掛けです。
付け餌を海底にベタ付けするように配置しますので、餌の小魚に根に潜られる危険があります。
主に海底が砂地の場所で使用しやすい仕掛けです。
図では三角サルカンにて道糸、餌、オモリの3点を接続していますが、別に通常のサルカンでも特に問題はありません。
付け餌が浮いてくる事がありませんし、逃げ回れる範囲も狭くなりますので、遊泳力の低いマゴチ狙いに適しています。
5分おき位に少しずつ仕掛けを巻いて、ターゲットを誘う釣り方です。
根掛かり対策として、オモリに結ぶ糸は道糸よりかなり細めの捨て糸仕掛けとするほうが良いでしょう。
エレベーター仕掛け(遊動式)
こちらは遊動式の仕掛けです。
まずオモリだけをキャストし、道糸にスナップサルカンで付け餌を接続します。
スナップサルカンが自由に道糸に沿って動くため、エレベーター仕掛けと呼ばれています。
こちらも先ほどのぶっこみ仕掛けと同じように、捨て糸とオモリで根掛かり対策を講じます。
スナップサルカンから針までは1~1.5ヒロ位で良いでしょう。
スナップサルカンを道糸に引っかけるため、すっぽ抜け防止のために、大きめのシモリ玉を入れておきます。
最大のメリットは、キャスト時に付け餌の小魚を付けずにキャストできるので、かなりの飛距離を探れ、付け餌へのダメージが少ないことがあげられます。
また、副次的なメリットですが、キャスト方向に一直線にしか付け餌の小魚が移動出来ませんので、比較的混んでいる釣り場でもチャレンジしやすいことがあげられます。
しかし、餌とする小魚の遊泳力が低い場合、すでに弱っている場合なんかは、思ったより餌が泳いで行ってくれない場合があります。
投げっぱなしにして、鈴を付けて置き竿にしておく位がちょうど良いでしょう。
底物狙いの付け餌
- アジ
- キス
- ガッチョ
- イワシ
などが適しています。
ぶっこみ仕掛けの場合はハゼなんかも使いやすい餌となります。
エレベーター仕掛けの場合ですと、長い距離を探れますので、遊泳力の高いサバなんかを餌にしても面白いかもしれません。
狙う棚を定めない場合(番外編)
狙う棚を全く定めない泳がせ釣りもあります。
餌がどこへ行くか全くわかりませんので、完全にお魚任せの釣り方です。
一切の仕掛けを付けずに付け餌の小魚を泳がせます。
足元などにぽちゃんと落とすのが良いでしょう。
スズメダイやアジなんかが適しており、スズキ狙いの必殺技と言えるかもしれません。
反面、ベラやガッチョ、キス等の底に貼り付く魚を餌にすると、根掛かりし放題なので避けたほうが無難です。
まるで小魚のお散歩みたいな釣り方です(*^^*)
泳がせ釣りにオススメの釣竿
泳がせ釣りは思わぬ大物が釣れる可能性が高い釣りです。
また、置き竿にして待つ時間が長くなるので、取り回しの良いシーバスロッドあたりが使いやすいでしょう。
あまり長い釣竿を置き竿にしておくと、道糸もたるみやすく、邪魔になります。
また、サメがかかったりした場合は、凄い勢いで釣竿が持っていかれます。
繊細な釣りでもありませんので、安価な釣竿を使うのが良いでしょう。
こちらの記事でオススメしている釣竿なんかは、ちょうど良いと思います。
また、もしもの場合に備えて、必ず尻手ロープは付けておきましょう。
魚に釣竿を海中に持っていかれます。
ゴミを増やす事にも繋がりますので、釣竿の水没対策は必須です。
こういったエンドロープは常備しておきましょうね(*^^*)
付け餌への針の付け方
一番迷うのがここです。
私も呑ませ釣りを始めた頃は、針をどうやって魚に付けるのかがよくわかりませんのでした。
基本的には下図の3種類を覚えていたら大丈夫です。
背掛け
おそらく最もポピュラーな針の付け方ではないでしょうか。
背ビレ付近の硬いところに針を刺しますので、キャストしても身切れしにくいのが特徴です。
ただし、基本的に青物の多くは小魚の正面から食べる習性がありますので、若干バラシやすく、背ビレに針や糸が干渉する場合は、魚の動きを阻害する可能性もあります。
鼻掛け
私は一番よく使用する針の付け方です。
鼻の穴に針を刺します。
針を刺す時に魚を手で握ってしまえるので、付けやすく、また、背掛けと違い魚の動きを阻害しないため、餌が弱りにくいです。
少々餌が取れやすいですが…
口掛け
人体で言う所の上唇に針を刺します。
遊泳力を阻害せず、魚ぎじゅうぶんに海水を取り込めるため、餌が弱りにくいです。
また、魚の口は思ってるよりも固いため、簡単には餌が取れません。
私はわざわざ小さな魚の口を開けるのが面倒であまり使いませんが。
防波堤からの泳がせ釣りの仕掛け総括
さまざまな仕掛けぎありますが、泳がせ釣りは基本的に魚任せになりますので、若干面白味に欠ける釣りではあります。
しかし、釣れたらほぼ間違いなく高級魚。
いちど試してみると病みつきになるかもしれませんよ(^-^)v